青色キャンバス


「ただいま」


私は真っ暗な部屋に声をかけた。


「え、先輩一人暮らし?」


秋君は呆然と玄関に立ち尽くしている。


「うん、二年くらい前からかな」


お母さんが再婚したくらいからだから二年前。


「二年前…」


秋君は何か思い詰めたように復唱した。


「秋君、紅茶でいい?」

「ん…って俺がやる」


秋君は私の手からコップをとった。


「って…あれ?」


秋君がポットからお湯を出そうとボタンを押すと蓋が開いてしまった。


「あ、そっちじゃなくてこっちだよ」

「ポットのくせにボタン多すぎない?」


ちょっと不機嫌になった秋君に私は小さく笑う。




秋君、なんか弟みたいだ。私に弟がいたらこんななのかな…?









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