青色キャンバス
―秋side


「…やば……」


口元を押さえて思わず俯く。



料理を作ると言って笑った雛先輩は今まで見せた事のない笑顔だった。



先輩、あんな風に笑うのか…


まるで向日葵のように明るく綺麗な笑顔だった。


「先輩、本当可愛いんだけど…」


今まで綺麗な女や可愛い女は沢山見てきた。


でも先輩は特別だ。
あいつらとは比べものにならないくらいの可愛いさだ。


って……
何らしくない事考えてんだ、俺は…


ブンブンと頭を振り先輩の部屋を見渡す。


「やっぱり絵が多いんだ」


先輩が描いたモノと思われる絵が沢山ある。


モデルは様々でどれも目をひくものばかりだ。


「…これ……」


不意に棚に飾られている写真が目に入った。




笑顔で男に抱き着いている雛先輩の写真。


二人とも幸せそうに笑っていた。



―ズキンッ


「東…蛍夜……」


そうか、こいつが……
雛先輩の大事な人……



―ズキンッ


胸が痛い。
まるで心臓をわし掴みされたような痛み。








< 55 / 214 >

この作品をシェア

pagetop