青色キャンバス



「先輩、今日の予定は?」


大人しくテレビを見ていた秋君が私に話し掛けてきた。



「うーん…」


今日は土曜日。
休日にしか出来ない事をやろうと思ったんだけど…


特にやる事も無い。



「何、暇人?」

「今日はバイトも無いし、暇人かな」

「ふーん…そうなんだ」


秋君はそれから何か考えているのか、黙り込んでしまった。



「あったかい…」


外で洗濯物を干しながら空を見上げる。


綺麗な青空だった。


「青空……」


あの日の青空と同じように綺麗な空。


「……………………」



でも、あの日の青空は特別だ。もう二度と見ることは叶わないんだから…


隣に、蛍ちゃんはいない。
大好きだったあの人は、この青空の下どこを探してもいないんだ…









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