もうひとつの恋
「お前はあの女の子に嫉妬してるけど、部長だってそうだったんだぜ?」


「親父が?誰に?」


思い当たらなくて、俺は首を傾げる。


途端に純ちゃんが得意そうな顔をして、親指で自分の胸を指した。


「オ、レ」


「え?純ちゃん!?」


純ちゃんと美咲の顔を見比べると、呆れたような顔で美咲が苦笑した。


「純はね?それが自慢なのよ」


自慢?なんで?


わけがわからなくて、俺はまた純ちゃんをまじまじと見つめる。


純ちゃんは嬉しそうに笑いながら、俺の肩を抱くと頬っぺたをくっつけんばかりに近づいてきた。


「ちょっ!やめろよ、純ちゃん!」


さすがに大の男がすることじゃないだろ?と引きぎみに体を離そうとするけど、純ちゃんは離してくれない。


「お前が生まれてからの四年間は、俺が独り占めだったろ?

だから部長はそれが悔しいんだよ

で、最初はお前、全然部長になつかなくて、俺にばっかりくっついてたから、すげぇヤキモチ妬いてたんだぜ?

きっと今だって、お前がうちに泊まりにきてること、気になってしょうがないと思うなぁ、ククッ」


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