ロストバージン·レクイエム


狭い車内が窮屈なのか、あるとき彼が力尽きたように私の上で動かなくなった。

密閉された空間で少し酸素が薄くなっていたのかもしれない。身体全体で呼吸している。


「ドキドキしてる」

「……うん」

「俺も」


触れた彼の左胸は強く脈打っていた。
さっきの衝動がそこでまだ続いているかのように。

< 85 / 117 >

この作品をシェア

pagetop