ロストバージン·レクイエム

「梅田さんのこと、何て呼んだらいいですか?」


また唐突な。

付き合って2ヶ月ほどになるけど、川島君はまだ敬語交じりに話す。


「うーん。何でもいいよ。別に梅田さんのままでも」

「……まあ、呼び方なんかどうでもいいですよね」


ひょっとしてヘコませた?


「私が言えたことじゃないけど川島君ってちょっとした珍名さんだよね。秋の風でシュウ」

「台風が直撃した日に生まれたから」

「私も一緒。雨の日に生まれたから」


大切な共通点。

そう思えば、一番根底にある一生付き合っていかなきゃいけないコンプレックスも少しは解消されるような気がした。


「川島君はこう呼んで!ってのある?」

「普通に名前で呼んでほしいです」

「川島君」


違う、という目で見つめられた。


「冗談冗談。シュウ。呼び捨てだとちょっと偉そうかな?シュウちゃん。子どもに言ってるみたい」

「もう、好きに呼んで」


呆れているように見えた。

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