朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「実際のところ、貴次のことはそんなに嫌ってないよ。

剣を交わしてみると分かるんだ、相手の大体の人となりが。

冷たいところもあるけど、温かいものも持ってる。

なんだかんだ言っても仲良くするさ」


 稚夜は安堵して微笑んだ。


「良かった。暁兄様とも仲良くしてくださいね。って言われなくてももう仲良しでしょうけど」


 その言葉には、柚は曖昧に笑った。


仲良し、なんだろうか。


仲は決して悪くはないけれど、稚夜の言い方は、なんだか別の意味合いもあるような気がして、照れ臭くなった。


 まさか毎日キスしていることが、周りにバレているのではないかと怖くなった。


実際は、当然キス以上のこともしていると周囲は思っているのだが、柚はそこまでの考えには至らなかった。


 稚夜がいなくなると、貴次と二人きりになった。


 妙な静けさが二人を包む。


風が吹き、落ち葉が地面で走るように転がると、貴次が口を開いた。
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