朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「駄目です。帝には公務があるでしょう。

それに帝は私と同程度の腕前がお持ちじゃないですか。

稚夜様と柚様の稽古に合わせていても、帝には何の為にもなりません」


 暁は反抗的な態度で貴次を睨みつけた。


貴次も負けじと睨み返す。


「暁!」


 柚に呼ばれて、暁は貴次から視線を逸らし、柚と向き合った。


「暁は、国のために働かなきゃいけない。

いつも公務で忙しい暁を大変そうだなと思うけど、国のためを思って働く暁はかっこいいと思うぞ。

そういう所、尊敬してる。

だから暁は公務を頑張れ」


 柚にかっこいい、尊敬してると言われた暁は、満更でもなさそうな顔をして、少し照れ臭さそうに鼻を啜った。


「まあ、柚がそう言うのなら、頑張ってもいいかなと思う」


「偉いぞ暁!」


 柚に褒められて、もはや暁は得意気だった。


その様子を見ていた稚夜は、手の平で転がされるってこういうことをいうんだなと、ひとつ勉強になった。
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