朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「待て待て柚! 一体どうしたというんだ!」
暁は慌てて柚を制した。すると柚は、暁の制止を振り払い叫んだ。
「離せ! 私は決めたんだ。今宵、お前に抱かれると!」
暁は一瞬、開いた口が塞がらなかった。
冗談か、聞き間違いかと思った。
しかし、柚の顔は真剣そのもので、本気で言っているのだということが分かった。
「柚、とりあえず落ち着くのだ。やけになってはならぬ」
「やけになんかなってない! 私を抱け、暁!」
「なぜいきなりそうなるのだ。一体どうしたというのだ」
「早くしろ! 早く、私の身も心も奪い去れ!
そして私を、名実共に暁の嫁にしろ!」
暁は、驚きと戸惑いと喜びと不安でいっぱいになった。
今すぐ抱きしめて、柚の言う通り、身も心も奪い去ってしまいたかった。
しかし、柚がどういう気持ちでこんなことを言っているのか皆目見当もつかないので、手を出してしまうことに戸惑いがあった。
柚を大事に思うからこそ、今まで我慢してきたのであって、勢いで奪い去れるほど簡単な気持ちではなかった。
暁は、とりあえず自分が落ち着こうと思い、深呼吸を一つ落としてから、努めて優しく柚に話し掛けた。
暁は慌てて柚を制した。すると柚は、暁の制止を振り払い叫んだ。
「離せ! 私は決めたんだ。今宵、お前に抱かれると!」
暁は一瞬、開いた口が塞がらなかった。
冗談か、聞き間違いかと思った。
しかし、柚の顔は真剣そのもので、本気で言っているのだということが分かった。
「柚、とりあえず落ち着くのだ。やけになってはならぬ」
「やけになんかなってない! 私を抱け、暁!」
「なぜいきなりそうなるのだ。一体どうしたというのだ」
「早くしろ! 早く、私の身も心も奪い去れ!
そして私を、名実共に暁の嫁にしろ!」
暁は、驚きと戸惑いと喜びと不安でいっぱいになった。
今すぐ抱きしめて、柚の言う通り、身も心も奪い去ってしまいたかった。
しかし、柚がどういう気持ちでこんなことを言っているのか皆目見当もつかないので、手を出してしまうことに戸惑いがあった。
柚を大事に思うからこそ、今まで我慢してきたのであって、勢いで奪い去れるほど簡単な気持ちではなかった。
暁は、とりあえず自分が落ち着こうと思い、深呼吸を一つ落としてから、努めて優しく柚に話し掛けた。