朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「よう、貧乳。元気だったか」


 澄み渡るような声で呼ばれ、柚はドキリとした。


一方、妻を貧乳呼ばわれされた暁は幾分むっとした。


「だ、誰が貧乳だ!」


「ハハハ、元気そうだな」


 朱雀の笑い声を聞き、柚は胸がいっぱいになって涙が込み上げてきた。


何しろ命の恩人である。不死身とはいっても、ずっと朱雀を気にかけていた。


「数年は元に戻らないって言ってたじゃないかよぉ」


 柚は鼻をずずずっと啜って言った。


憎まれ口を言いながらも、本音は再会できて嬉しくて堪らなかった。


「よっぽど俺様に会えなくて寂しかったようだな」


「ば、バカ野郎! そんなこと思ってないやい!」


 ほんのり頬を染めながらムキになって反抗する様は、図星だと自ら言っているようなものである。


感情が顔に思いっきり出てしまっている柚を、朱雀は不敵な笑みを浮かべ愛しむような眼差しで見下ろしている。
 


二人の会話を聞いていた暁は、なんだか無性に嫉妬心が湧いてきた。


「待て! そんなことよりなぜ朱雀がここにいるのだ」
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