朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「稚夜には大変世話になった。雛だと自分で食料を取ることもできん。稚夜がいなければもう一回死ぬところだった」


 感謝を示された稚夜は素直に嬉しそうだ。


けれど、すぐに悲しそうな顔になった。


「どうして急に成鳥になったの? さっきまで雛鳥だったのに」


「それはこの男が天変地異をおこしたからだ。

季節に関係なく花が咲き、生き物に命を与えた。

だから俺様もあと数年は元の姿に戻ることができなかったのを、一日で成鳥へと変化を遂げたのだ」


 この男とはもちろん暁のことである。


暁は天照大神の子孫だが、朱雀は敬う気はさらさらない様子がこの男と呼んだことからうかがえる。


「そうだったのか! 良かったな! やるじゃん、暁!」


 柚は嬉しそうに暁の肩をばんばん叩いた。


暁は何か嫌な予感がして笑うことができない。


「だがなぁ、そのせいでおかしな成長をしてしまったようなんだ。

雛鳥から成鳥に戻れたのはいいが、この姿を長時間維持することができないんだ。

そして代わりに俺様は人間の姿に戻ってしまう」


「人間の姿?」
< 336 / 342 >

この作品をシェア

pagetop