朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
 柚は白着物を羽織った青年の朱雀の姿を思い出した。


「ああ、あのイケメンに戻るのか!? いいじゃん」


「いけめん?」


 暁が眉根を寄せて聞き返した。


「超かっこいい男の人って意味だよ」


「かっこいい……だと?」


 ただでさえ、さっきから親しげに話す柚と朱雀を見てこころよく思っていない暁の顔色が曇る。


柚は親切にイケメンの意味を教えてあげただけなので、暁の顔色がみるみるうちに変わっていくのに気が付いていない。


「俺様のあまりのイケメン姿に惚れたか? まあ、キスもした仲だしな。だが残念なことに人間バージョンはそこまで成長していないんだ」


「キスだと!?」


 キスが接吻という意味だと柚から教えてもらったことのある暁は、血相を変えて柚を見た。


慌てて柚が説明する。


「違う違う、あれはそういうキスじゃないんだ。口移しで命を貰ったから」


「口移し!?」


「仕方ないだろ。そうしないと生き返れなかったんだから」


 それを言われると、暁は何も言い返せない。
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