エンドレス・ツール
「やっと行った」


溜め息を吐きながら翔さんが再びあたしの隣に腰を下ろした。


ていうか翔さん、今「連れ」って言いましたよね?


「二人……いつもあんなんですか?」

「そ。夏香ちゃんも酔うとだいぶすごいね。ケイゴのあの調子についていけてるの、夏香ちゃんが初めてだよ」

「はあ……」


それは、褒めてないよな?


「ごめんね。ケイゴはほんと酔うと周りに誰がいようが構わず始めるから。俺が止めなかったら、今頃すごい場面をりーに見せるところだった」

「そ、そうですか……」


なんか、あたしが邪魔した感じですか?


「前もひどかった」

「前もあったんですか!?」

「夏香ちゃんと付き合い始めた頃ね。あいつら俺の部屋だってこと忘れてるんだもん。同じホテル行かせた」

「……そうですか」

「俺だって他人の見たいわけじゃないからな」

「……え」

「ちょっと、俺が喜ぶと思ってる?」

「……違うんですか」

「えー、りーの中の俺のイメージどうなってんのー?」


ぶーと口を尖らせる翔さんが可愛い。


ごめんなさい。ちょっと意地悪言ってみちゃいました。


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