闘志、燃ゆる魂
 弱者に興味なし、されど強者には至高の持て成しを――


「先から、殺せる機会はあっても、わざと外すのだな」
 副頭目はやはり、笑っている。


「おうよ、なんだちゃんと理解してんじゃねえか。今からでも遅くねえぜ。これまでのはちゃらにしねえか? 俺は強え奴が好きなんでな」


 そう断言するや、剣を収めて手を差し伸べてきた。これに同意するか否か。腕を差し出せば同意したとみなされる。だが、今ほど奴を殺せる好機もない。


「悪いようにはしねえ。兄貴に話せばお前はここで食っていけるんだぜ?」


 思考を張り巡らす時間は無かった。手を差し伸べられたその刹那、副頭目に石が投げられた。いてっ、と呻いたがすぐさまどこから飛んできたのかを察した。
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