重なる身体と歪んだ恋情
そのまま屋敷の外へ。

雨は土砂降りで、


「きゃっ」


雷だって光ってるのに彼は歩く速度を緩めることなく歩いて。


「奏様!? こんなに雨が降ってるのに」

「いいからすぐに車を出してくれ」


ずぶ濡れの私を車に詰め込むと自分も乗って、如月にそう告げる。

その声に如月も不思議に思ったのだろうけど、


「畏まりました」


それだけ口にして車を走らせ始めた。


車内は車のひどい音よりも打ち付ける雨音のほうが響く。

そして時折稲光が走ってドスンと重たい音が空気を振動させる。

奏さんはと言うと私のほうは見ることなくずっと車窓を見つめて。



もう、ダメ。

お祖母様、ごめんなさい。

私、もうダメだと思うの。


多分、私は、


先生が好きなんだと思う。

ずっと昔から――。
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