重なる身体と歪んだ恋情
「きさ……?」
自分の声なのに自分のものじゃ無いみたいにしゃがれた声。
そんな私の声に如月はフッと笑って。
「煙を吸い込みすぎたのでしょう。大丈夫です。すぐに良くなりますよ」
「……そう」
確かに喉に違和感を感じる。
そして頬にも。
手をやると大きなガーゼが当てられていて。
「申し訳ありません。火傷を負わせてしまって……」
さっきまで見せてくれていた笑みが一変、悲しいものに変わる。
だから私はフルフルと首を振った。
こんな傷は自業自得だ。
だって、私はいろんな人を巻き込んで――。
「奏さんは!?」
彼の姿がどこにも無い。
この部屋は個室でここには私と如月しかいなくて。
「別室に」
「どこっ!?」
答えを急かす私に如月は渋い顔を見せた。
彼を見た最後の記憶を思い出す。
あたりは真っ黒な煙に覆われて、火はすぐそこまで迫っていて。
降りしきる火の粉の中、彼は笑ってて――。
もしか、して……?