重なる身体と歪んだ恋情
如月が探してる間に私はその棚にある本を全部よけて。
「比べてみてください」
千紗に見せる。
最初は何のことか理解していない彼女だったが、
「――あ」
彼女も気付いたのか声を上げて。
全て避けてみればよく分かる。
「ここ……」
そう、この棚だけ奥行きが狭いのだ。
本をぎっしりと積めていれば気付かない。
けれど一冊でも抜けば……。
そうは言っても周りは分厚い歴史書ばかり。
よほど歴史が好きではないと手にはしないだろう。
事実、
「全然気づきませんでした。だって、こんな分厚い本なんて……」
本の好きな千紗でさえこんな声を漏らす位なのだから。