重なる身体と歪んだ恋情
夕暮れの早さに秋を感じる。

兄を亡くして、私はまいにちのようにお祖母様のいる病院へ通った。

だって、私にはもうお祖母様しかいない。

彼女がいなくなってしまったら、私は一人だ――。


「まぁ、また来たの?」

「だって時間はたっぷりあるんですもの」


そう言ってお祖母様の隣に座る。


「こんなところに来ないで、旦那様の身の回りのことを」

「スズがいるわ。それに如月も弥生も小雪もいるから平気よ」

「この子ったら」


お祖母様が痩せた手で私の頭を撫でてくれる。

これがどんなに嬉しいか、きっとお祖母様は知らない。

無条件で与えられる愛情なんて家族からしかもらえない。

私には、もうお祖母様しかいないんだ……。

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