重なる身体と歪んだ恋情


駅に着くとまた流れるように下りていく乗客。

だから私もその流れに乗ろうとして。


「人が少なくなって降りましょう。急ぐ必要はありませんから」


如月にそう言われて私はその言葉に従った。

人が少なくなって列車を降りる。

ここは終点だから人の流れは一方通行。

改札を抜けて、


「ここから歩いてすぐですので」


如月の少し後ろを付いて歩いた。

彼の言うとおり家具屋は駅から歩いて10分程度の場所で。


「お待ちしておりました、桐生様」


そう言って店主らしき人が頭を下げたのは如月に対して。だから、


「こちらが奏様の奥様、千紗様です。今日は彼女のものを買いに参りました」


その如月の声に店主は両手を擦り合わせながら、


「そうでございましたか。ではこちらへ、今日はどういったものを?」


貼り付けたような笑顔を私に向けた。
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