重なる身体と歪んだ恋情



「家具は明日には運ばせますので今しばらくご不自由だとは思いますが」

「……そう」


思った以上に事は早く進むみたい。


横浜の町は異国情緒が漂う。

実際、外国の方とすれ違うことも多い。

如月はどこに向かっているのか。

先を歩く彼の後をまるで子供のように歩く私。

実際、彼からしてみれば子供なのかもしれないけれど。


「あ……」


街中を歩いて見つけたのは、


「どうかなさいましたか?」

「いえ、なんでも――」


そういいつつも私の目は本屋さんに釘付けだった。

桜井の家にも沢山あった私の本。

きっともう誰にも読まれないだろう。

そう思うと少し寂しくて。


「ねぇ、如月」

「はい」

「本棚も欲しいわ」


気が付いたらそう口にしてた。


「あっ、やっぱり」


いいわ。そう言おうとしたのに、


「かしこまりました。後で先ほどの店に連絡して遜色無いものを持ってくるよう手配しておきます」


と言われてしまった。
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