重なる身体と歪んだ恋情

結局、ドレスを5着ほど頼んで、


「ありがとうございました。出来ましたらお届けにあがりますので」

「それでは出来るだけ早く。来月頭には必要になりますので」


と答える如月。

そんな会話を不思議そうに見ていると、


「行きましょう」


といわれて。

私はまた如月と一緒に歩き始めた。

頼んだドレスはどれも普段着には向かない。

パーティーとか社交界出来るようなものばかりで。

奏さんは私をそういった場所に連れ出すつもりなのかしら?

確かに、舞踏会にしてもパーティーにしても夫婦で出席が当たり前なのだけど……。


「千紗様?」

「え? あ、なに?」

「いえ、ほかにお店を見られますか? とお聞きしたのですが」

「あ」


思いっきり考え事に没頭していたわ。

だって、あのお年で今まで社交界に出ていないなんてありえない。

だとしたら、今までは誰を連れて――。


「なんでもないわ」


そう考えても仕方のないこと。

私には関係ないのだから。
< 67 / 396 >

この作品をシェア

pagetop