重なる身体と歪んだ恋情
多分、年は私と変わらないと思う。
「あ、今ハーブを奏様から頂いて育ててるところなんです! 見て見ませんか?」
「えっ? あ――」
「郁、先ほども言いましたが千紗様に軽々しい口を」
「いいわ、如月」
そう言うと如月と郁、両方から「え?」と声が返ってきた。
そうね、紛らわしいわね。
「えと、郁、でいいかしら? 如月だとどちらか分からないでしょう?」
私の提案に「はい!」と嬉しそうな顔で答えてくれる郁。
まるで子犬のようね。
「郁は何歳なの?」
「16になります」
「まあ、私と一緒ね」
そう言って驚くと郁は「はい」と嬉しそうに返してくれる。
「申し訳ありません。高等学校を出たばかりでまだ躾も出来ておりません」
「いいのよ、そんなの」
出来ればこのままで居てほしい。
「それでハーブってなんなの?」
私の声にニコリと笑う郁。
「口で説明するより見て嗅いだほうが分かりますよ」
「郁っ!」
「いいったら、如月は屋敷で待っていて。お茶の時間には戻るから」
そう言って、「行きましょう」と郁の手を引くと後ろから如月のため息が聞こえた。