星に願いを
「えっ…?」
星子の心臓が止まりそうになった。
「そう。あの時の“ぼく”。」
と自分に指をさして、「思い出してくれた?」と星子にほほ笑んだ。
星子はびっくりして固まってしまった。
「ごめんなさい。その頃の記憶がほとんどなくて…。
でもそう言われると…あっ、何となく思い出した…。
もしかして、あの時の子が…悠さん?」
「次の日曜日、家を尋ねたらほしちゃんいなくてさ。
話したくて。公園や周りを探したよ。」
突然“ほしちゃん”と言われ、心臓がドキドキしてしまった。
「ごめんなさい。その時…」
星子の言葉にすぐ悠が反応した。
「何があったか知ってるよ。」
そして悲しそうにつぶやいた。
「ほしちゃんの願いが叶わなかったことも…」