星に願いを
「何故?何故知ってるの?」
「あれから何度も家を訪ねたんだ。
探すって言ったってガキだからそれ位しかできなくてさ。
でもほしちゃん見つからなくて、それで兄貴に探してほしいと頼んだんだ。
兄貴がほしちゃんの家を尋ねた日、やっと中から人が出てきてね。前の方は引っ越しましたよって。
そうしたら偶然お隣のおばさんが出てきて、事の真相を知ったってわけ。」
悠が優しく微笑んだ。
「ほしちゃん、俺に手紙書いてくれたの覚えてる?」
「手紙…私が書いたの?それ読んだの?」
「もちろん読んだよ。」
うそみたいと口に両手をあてて目をまん丸く見開いた。
「兄貴から言われたよ。」
―すぐに忘れるさ-
「だから俺、絶対忘れないって心に誓ったんだ。
忘れないように毎日君を思おうって。忘れちゃいけないって。」
まためぐり逢うときのために…。
悠はゆっくり瞼を閉じて、“あの時”あったことを語り始めた。