星に願いを
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「これ、あげるね。」
星子はそっと星形のキャンディーを悠の手に置いた。
「これはね、願い星なの。」
悠は涙をぬぐってキャンディーをじっと見た。
「お願いしたいことがあれば、空に向かってこのキャンディーを照らすの。
そうしたら心の中で願ってみて。」
悠は言われたとおり、キャンディーを空に向かって照らした。
―毎日楽しくなりますように―
―友達ができますように―
―勉強とスポーツができるようになりますように―
―僕が僕らしくありますように…―
「お願いできたら食べていいよ。」
「…君はいつもそうしてるの?」
「そうだよ。お母さんが早く帰ってきますようにって、お願いしてるんだ
お母さんはいつも言ってくれるの。
ほしちゃんはお星さまの子だから、お星さまに願ってごらん。
きっと叶うよって。」
少し悲しそうな顔をしながらニコッと笑った。
「私ね、お父さんがいないの。
お母さんは私がお星さまから生まれたって言うんだよー。
だから私は、お星さまの子なの。…信じる?」
正直、よくわからなかった。
「私、信じてるの。」
そう言って、今度は楽しそうにニコッと笑った。
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