星に願いを
*
「でも…よかった。」
星子は少しホッとしたように頷いた。
「あの後、ちょっとだけ後悔したんだ。星あげちゃったこと。
最後の一粒だったから。」
あの日の夜の事を思い出した。
星のキャンディーがなかったから、お母さんが早く帰ってくるようにお願いできなかったんだ。
そうしたらあんな事に…。
でもそんなことは関係なかったんだと、大人になってわかること…。
「…ごめん。」
悠がうつむいた。
「悠さんの願いが叶ったんだから、やっぱりよかったんです。」
星子が夜空を見上げて満点の星にほほ笑んだ。