魔法都市


「あたし、弥生」

入るわよ、といいドアを開けて入ってきた弥生

「あ…ども」

「あら、悠太くんもまだいたのね」

「はい。もう少ししたら帰りますけど」

「べつにいいのよ、ゆっくりしても。あ、奏この資料の見直しお願いしていいかしら」

そう言って机の上に資料を置く弥生
それを見た奏は呆れた様子になる
その様子など気にしないという感じで「よろしくね」と言って部屋を出て行く

「なんだこれ」

「今回の黒羽対策に関する資料よ。べつにあたしがこれ見直さなくてもいいんだけど…」

ため息混じりで資料をパラパラと見ていく奏
「お前も大変だな」と同感する悠太であった
そしてふと、悠太の口が開き話し出す


「お前さ…」

「ん?」

「あまりムリすんなよ。圭斗と華澄ちゃんあのこと知らないんだろ?」

「ああ…そうだね」

他人にあまり心配されたことのない奏にとってどう反応したらいいか分からなかった
未だに自分のことを悠太に話して良かったのかどうかさえ困惑していた

どうせバレるなら…と思っててもやはり余計なことを話したくないと思っている自分がそこにいたからなのだ


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