魔法都市
弥生の言葉もまるで引っ掛かりがあった
誰かが使っていて何か調べていた
「なるほどね」
ふむ、とうなずき何かを考える仕草をする
いくら管理者が居たとしても既に使われて居ない施設で電気を通していろいろ調べることくらい出来る連中なら他にもいるはず
そう考えた瞬間ハッとして「まさか…」とつぶやく
「黒羽の幹部連中が関わってる可能性もあるのよ」
「見回りを装ってな」
奏の考えに補足するように付け足す
……そう、黒羽の研究幹部のヤツらならこんなこと朝飯前のこと
なんの目的なのか分からないため調べる必要がある
「それでアナタを呼んだのよ」
「私は何をしたらいいの?」
「蓮斗と一緒に魔法都市にある使われてない研究施設全てを調べて欲しいの」
「……へ?」
(いま全部って言ったよね弥生さん…)
一旦冷静になる奏
良く良く考えてみたら魔法都市にある現在も使用されている研究施設を含めればおよそで無くても300近くはあるはず
その約半分が使われてなくて誰かが今関わってるって話はぶっ飛びすぎな内容だ
「軽く300近くあるんですよ?いくら何でも二人だけじゃ…」
「なにもアナタたちだけなんて言わないわよ」