魔法都市
「気になること?」
キョトンとする
すると弥生がバサッと机に報告書らしき紙を雑に置く
それがなんの報告書なのか分からないが手にとるとそこには「使われていない研究施設が利用されている」と書かれていた
「……なにこれ」
意味分からないと言う感じの奏
説明は蓮斗からされた
「最近同業者(情報屋)の間でここ数ヶ月から半年、または数年使われてない研究施設に電気が通ってて誰かが使用した後があるって噂が流れてきたんだ」
「それは朱理も知ってるの?」
「ああ。朱理ちゃんだってオレと同じ情報屋なら話くらいは耳に入ってんだろ」
「それで何が問題なの?」
使われてない研究施設が再び使われることは珍しいことではない
あるいはその施設を管理している者が見回りしている可能性だってある
電気を通すことくらい能力者や魔法使いならいくらでも出来る
「おかしいと思わないか?今までそんなことがなかったんだぞ?仮にそこの管理者が見回りしてたとしても電気を消し忘れることがあるか?」
「ああ、まあ言われてみれば…」
「それに、報告された話によれば魔法都市にある研究施設の半分が誰かの手によって何かを調べたあとがあるらしいのよ」