魔法都市

『百合華…』

『悪いけど奏ちゃんは返してもらうわ』

『夕紀はともかくチカラも持たない弥生は私にどう対抗するのかしら?』

『……っ!舐めないでよね!』

夕紀は魔法使いだが弥生は何もチカラを持たない
だが一般人ではなく研究者であり魔法管理委員に所属する頭のキレる人間だ

そして昔柔道や剣道を習っていたことがあり体術などには自信がある

『でも邪魔はさせないわよ』

行け、という合図をすると数名研究員たちが二人を囲う
その後ろでは奏が苦しそうにしている

(奏ちゃん…もう少しだけ我慢してね!必ず助けるわ)

夕紀と弥生が研究員どもの相手をしているなか、奏は微かに目を開け必死に百合華に抵抗する

『あんた、なんかにっ…負けない…。私も、夕紀さんたちも…』

『喋る元気だけはあるのね。でももう遅いわよ?アナタはパワーストーン(これ)を埋め込まれてもっと強くなるのよ』

『……っそんな、チカラいらない』

必死に食らいつきながら抵抗をする
パワーストーンを埋め込まれ気を失ったあの少年を思い出した

自分もきっとああなってしまうと…

『奏ちゃん…』

『夕紀!あの子を助けに行きな!こいつらは私はなんとかするから!』
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