魔法都市

『弥生!?』

『……私じゃ相手に出来ないけど夕紀なら大丈夫だから!奏ちゃんを助けに行って!早く!』

『分かったわ!』

そう言い数人の研究員どもをどかし百合華のところまで一気に駆け抜ける

弥生は近くになった鉄パイプで相手を傷付けないように気絶程度で倒していく
だが、いくら昔柔道や空手をやっていたとはいえブランクがあるし男相手じゃ力じゃ負けるがそんな弱音を吐いてる場合では無かった

『ああ、もう!アナタたち邪魔なのよ!』

『百合華さまの邪魔はさせん』

『百合華を讃えるなんで根本的に間違えてるわよ!今まで何人犠牲になったのよ!』

その言葉に研究員たちはピタッと一瞬動きが止まる

罪の罪悪感くらいは持っていたらしい
今まで何人犠牲になり何人亡くなったのか

奏の前に拘束され実験台にされた少年は恐らくもうこの世界から居なくなっているに違いない
子供だけでは大人には勝てない

『罪の意識があるなら一刻も早くこんなくだらない実験(こと)辞めなさいよ!いまあの子は自分のチカラで抗おうとしてるのに可哀想だとは思わないわけ?』

『……っそれは』

『そいつの言葉に惑わされるな!』

弥生の言葉に心が揺らぐ者が数人いた

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