魔法都市


「また、扉(ゲート)を使ってこっちに来たの?」

『奏の負担が軽くなるんだし良いじゃないか』

「……それもそうね。他のみんなは元気?」

『元気だよ。“ウル”なんて気持ち悪いくらいに大人しいし』

「あぁ…そうか。そろそろ新しい“契約者”を探さないとね」

『そうだな…』

“ウル”とはクロと同じ使い魔の一体
奏とは仮契約していて新しい“契約者”が現れるまでは彼女の使い魔なのだ

『ところで…あの“計画”は進んでるのか?』

「進んでるよ。あんなことさえなければこんなことしなくていいのにね…」

『奏…』

「大丈夫よ。洸もマナも協力してくれるから」

奏は悠太たちに内緒である“計画”を立てていた
それを知ってるのは魔法管理委員会と弥生、洸、マナだけだ

「ただ…篠原くんたちにバレると少し厄介なのよね」

『どうしてだ?』

「絶対止めるはずだから。邪魔だけはされたくないのよ」

『そりゃそうだろうな…。でも悠太は夕紀の子供だぞ?』

「それでもよ」

クロは仕方ないか、というと異世界へと戻っていった

「この“計画”だけは邪魔されないようにしなきゃね…」



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