あたしの前世はあなたの恋人
「……壱歌」
「え??」
名乗ったのが聞こえなかったのだろうか?
皆の頭に、クエスチョンマークが見えるのは、私の目の錯覚か?
「…斎藤壱歌。私の名だ」
「壱歌かー。可愛い名前だねぇ」
……藤堂、お前それはわざとやっているのか?
子犬にしか見えない。
「「…ん?…斎藤…??」」
私が藤堂の可愛さに浸っているとき、山崎と原田が私の名を呼んだ。
「なんだ」
「斎藤さんや!!」
「斎藤か!!」
「一くんだぁ!!」
私が反応すると、山崎、原田、藤堂がハモって言ってきた。
「………斎藤だが?」