あたしの前世はあなたの恋人
なんだ?
山崎と原田は斎藤と呼んだ。
まぁ、私は斎藤だからいいとしよう。
何故叫ばれたかは知らんが。
だが、藤堂はなんと言った?
「…はじ…?」
なんと言ったかな?
斎藤と被ってよく聞こえなかった。
そう私が不思議に思っている山崎が汗をたらりと流し言ってきた。
「…もしかして……記憶、ないん?」
「…記憶? 何のだ?」
お前たちなど見たことないが。
私が忘れてるだけなのか?
……いや。だが、こんな美男美女の奴らを忘れるなど、有り得ないだろ。
じゃあ、なんだ…?
――――ガタッ