Review 序―復讐の章―
その後は、みんなでトランプをしたりして楽しんだ
笑顔になれた
でも、楽しい時間にはすぐに終わりがくる
気が付けば、もう二時間も経っていて
時計の針は2時を示していた
あたしはゆっくりと立ち上がる
「…、じゃあ戻るね」
「…分かった」
「また後で」
「あぁ、また後で」
あたしが手を振ると、手を振り返してくれる
すぐにまた会える、そう自分に言い聞かせながら、階段を登る
すこし小さくなる総たち
それが少し、懐かしく思える
上から見下ろす気分はいい
そんなあたしの気持ちが分かったのか、総は「馬鹿」と口パクで伝えてくる
それに少し笑う
総はいつもどこか子供っぽい
そう言えばよく「お前に言われたくない」とそっぽを向いた
その姿にあの人とよく笑っていた
「馬鹿だな」って
「拗ねた」って……