Review 序―復讐の章―
あたしは、思い出を振り払うようにして、幹部室のドアに手をかける
と、おでこに強い衝撃がはしった
「…あ、わりぃな。今迎えに行こうとしてた」
「っ~~」
「飛鳥大丈夫?こっちに来て見せてみて」
痛むおでこを押さえながら、海司に近付く
いてて
そんなあたしに真夏が「大丈夫か?」なんて眉を垂らして心配してくれる
…少しの罪悪感
「翼さいてー、女の子傷つけるなんてさい、いってぇ!!」
「真夏くんさいてー、男傷つけるなんてさいてー」
「あ!?傷つけてねぇよ、逆に俺が傷付けられた!!てかパクんな!!それ俺が考えたんだぞっ!!」
「俺の心が傷ついた」
「けっこう赤くなってるね…湿布持ってくるからそこ座ってて」
海司って、すごいよね
こんなに上木と真夏がうるさいのにスルーできるなんて
しかも上木に至っては棒読みだし…
それがどれぐらい長い間一緒に居たのかを教えてくれる
あたしにとって、総やみんなは大切で
それと同じくらい
海司にとって、真夏も上木も羚も大切で…