緋~隠された恋情
あれで、慰めてくれてるのよね、

不器用な馬鹿な人。


平のことはなんとなく最近わかるようになった。


黒い感情がよく似ているのかもしれない。


それとも抱かれているうちに感情が移ったのかしら。

平のことは、

悪魔だと思っているけれど、

でも、今の私の一部になっているのも確か。



「あ、そうだ。」


平は私を振り返り際に、


「学校の方だけど、

 近いうちの戻れると思うから、

 それまで新のこと面倒見てやるといい。」

意味深な発言。


「は?どういうこと?」


「まあ、そのうちにね。」


「ねえ、またなにか企んでるの」


「別に?」


「私の事は放っておいてよ。」


「俺から逃げられるとでも?」


冷ややかに微笑んだ平から負の感情が伝わってくる。


さっきまでのやりとりで見た平の心の片鱗がすうっと消えていた。



私を見つめるその目はまるで冷たい血の通わない蝋人形のようだった。


「今夜また抱いてやるよ。

 そろそろ俺の体が恋しい頃だろ。」



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