緋~隠された恋情
「もういい加減にしてやってくれないか」

その声は、少し震えていた気がした。

「は?何言ってんの?」

「もう、ありさを弄ぶのはやめてくれっていってんだよ。」

「へえ、新は俺たちの関係気づいてたって事?」

「関係って……やめてよっ」




「俺たちの関係に気づいてたってことは、

 許容してたってことなんだろ?」

悪魔!

私の肩を抱きながら、

くすくすと挑発するような笑い方をする。


「お兄ちゃん、違うから、そんなんじゃない。」


「新、俺たちはもうずっと前から、

 こんな関係なんだ。

 悪いな、言いにくくて言わなくて。

 でも気付いてたんなら言ってくれればよかったのに。」


「嫌っ」

私は抱き寄せようとする平の手を振り払って、

今度は表のドアから外へ飛び出した。


こうなることが怖かったのに


だから、あいつに抱かれたのに。

知られるのが怖くて抱かれ続けたのに。


お兄ちゃんは今どんな顔してる?

嬉しそう?


さみしそう?


悲しそう?



嫌だ嫌だ嫌だ



いやぁ~~~~


走って走ってその足がなくなって

消えてなくなってしまいたい。、



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