図書室で、恋。
「なぁ陽彩。」
「ん?何?」
「…あ、いや。何でもねぇ。」
「えー?!何それ。」
私が気になって執拗に聞くも「いや、本当何でもねぇ」の一点張りの悠太。
もう、逆に気になるよ。
何となく、今日の悠太はおかしい。
妙によそよそしいというか、なんというか。
…どうしたんだろう?
「なんか悠太あった?」
「え、なんで?」
「いや、なんていうか…いつもの悠太じゃない気がする。」
「何だよ、それ。」
「ほらっ、そういうところ!
なんか今日全体的に淡白じゃない?」
思わず私は立ち止まった。
悠太ってば部活終わってから、必要最低限の言葉しか発してないような気がする。
「淡白って…俺は魚かよ。」
「そ、そうじゃなくてさ。」
「ほーらっ、俺明日テストなんだから。はよ帰るぞ。」
少し苛立って顎で私を促す。
何よ何よ、幼なじみ舐めんじゃねぇっつぅーの!
私はブツクサ文句を言いながらも、悠太の後を追った。