図書室で、恋。


「じゃあーなー。」

「うん、また明日ね。」

悠太と別れたというものの、モヤモヤした気持ちが収まらなかった。

もう、何よ、これ。

今までこんか気持ちになったことはなかった。
どうしてこんなに苦しいのだろう?


「陽彩〜?帰ってるの?」

お母さんの声とバタバタという足音がした。

「もう、帰ったならただいまくらい言えないの?」

「ただいま…」

「あら、どうかしたの?」

「ううん、別に。」

「そう。
…あ、お姉ちゃんからフルーツ届いたわよ。
とっても美味しそうだから、陽彩も早く着替えてリビングおいで。」

「うん。」

制服のリボンをスルスルと解く。

そして、はぁと小さくため息をついた。


悠太、悩み事でもあるのかな。何か人には言えないような…

大丈夫だろうか。

幼い時から私にくっついてばかりの悠太。

とても心配だった。


「もーっ悠太が変なこと言いかけるからじゃん!」

なんで私の方が悩まなくちゃいけないの?
もう本当にわけわかんないっ。

それに…このモヤモヤした気持ちは何?

ただの心配からくるものじゃないような気がした。

「うん、そう。生理前だ、きっと。」

そうだ、そうに違いない。


私は自分に言い聞かせるようにして頷き、リビングへ向かった。



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