学園怪談2 ~10年後の再会~
 ……。
 能勢さんのソフトな怪談が終わった。
「よく二人とも無事だったね。彼女一人だけだったら、間違いなく死んでたんだものね」
 赤羽先生は感心したかのように言った。
「ええ、実際にそこで転落死した人も、何かに誘われるようにして足を踏み入れたみたいだから、変に霊感の強い人は近づかない方が無難ですね」
 能勢さんはその時のことを思い出したのか、少し身震いした。
「しかし、その吊り橋は何の為に作られたんですかね?」
 私の質問に、能勢さんはちゃんと答えを用意していてくれた。
「戦時中ね、あの吊り橋の向こうに、外界から完全にシャットアウトされた崖で囲まれた小島のような山があってね、そこには罪人が数多く閉じ込められていたらしい。戦争が終わって向こう側半分の吊り橋が落とされた後、罪人たちは飢え死にするまで閉じ込められていたって言う話だよ」
 死してなお、自分たちの浮かばれない気持ちから仲間を増やそうと、他人を不幸にしようという霊の気持ちとはどういうものなのだろうか。それは霊のみぞ知るのだろうと私は思うしかなかった。
……ペタペタペタ。
「ん? 何か足音が廊下から聞こえるぞ」
 大ちゃんさんの言葉通り、何者かが廊下をこちらの教室に向かって歩いてくる音が聞こえる。
 ペタペタペタ。
「こ、この裸足で廊下を歩く音は……まさか!」
 そして、ついにあの男が登場するのだった。
 
残り32話
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