学園怪談2 ~10年後の再会~
「うわああああっ!」
僕は思わず悲鳴を上げてしまった。なぜなら、僕の目の前に頭の右側が潰れた一人の男が立ち尽くしていたからだ。その男は口を大きく開き、こちらを見て恐怖に歪んだ驚愕の表情をしていた。
「ははは、能勢チン。鏡に映った自分にそんなに驚かなくてもいいんじゃない?」
「えっ、鏡?」
僕はようやく目の前の男が鏡に映し出された自分の姿であったことに気が付いた。頭が潰れていたように見えたのは鏡が凹んでいて、それが丁度頭の辺りにあった為だ。
「そ、それにしても、よく点け方を知ってたねモリチン」
僕は照れ隠しに話題を別の方向に逸らした。
「まあね、以前にも一度来た事があったからね」
モリチンは頼りない裸電球の明かりを見つめた。
……それにしても気味の悪い場所だ。ホラー映画なんかに出てきそうな荒廃ぶりだし、この電球一つだけの室内といい、鏡といい……寒気すらもする。
「ここはね、実はライブ中に自殺があったんだ」
突然、モリチンはボソッと喋った。
「え? じ、自殺?」
僕の声は思わず裏返ってしまっていた。
「うん。2、3年くらい前まではココも普通に営業してたんだよ。僕も何度も通ったものだけど……でもね」
「で、でも?」
モリチンは少しばかりの沈黙のあと、話を続けた。
「あるヘビメタルの人気バンドのライブでさ、クスリを常用していたジャンキーの男がいてね、ライブ中に自殺をしたんだ」
ここで自殺? それも僕らの立っている、今まさにこの場所で。
「そ、それで営業が中止になったの?」
僕は早くもゾクゾクしながらも尋ねた。
しかし、モリチンから返ってきた答えは僕の予想もしないものだった。
「いや、勝手に自殺した客のせいで一時的に営業は停止したものの、すぐに営業は再開されたよ……でもね、それから……時々、出るんだよ」
モリチンの顔から笑顔が消えた。
「……で、出るって……」
僕は思わず悲鳴を上げてしまった。なぜなら、僕の目の前に頭の右側が潰れた一人の男が立ち尽くしていたからだ。その男は口を大きく開き、こちらを見て恐怖に歪んだ驚愕の表情をしていた。
「ははは、能勢チン。鏡に映った自分にそんなに驚かなくてもいいんじゃない?」
「えっ、鏡?」
僕はようやく目の前の男が鏡に映し出された自分の姿であったことに気が付いた。頭が潰れていたように見えたのは鏡が凹んでいて、それが丁度頭の辺りにあった為だ。
「そ、それにしても、よく点け方を知ってたねモリチン」
僕は照れ隠しに話題を別の方向に逸らした。
「まあね、以前にも一度来た事があったからね」
モリチンは頼りない裸電球の明かりを見つめた。
……それにしても気味の悪い場所だ。ホラー映画なんかに出てきそうな荒廃ぶりだし、この電球一つだけの室内といい、鏡といい……寒気すらもする。
「ここはね、実はライブ中に自殺があったんだ」
突然、モリチンはボソッと喋った。
「え? じ、自殺?」
僕の声は思わず裏返ってしまっていた。
「うん。2、3年くらい前まではココも普通に営業してたんだよ。僕も何度も通ったものだけど……でもね」
「で、でも?」
モリチンは少しばかりの沈黙のあと、話を続けた。
「あるヘビメタルの人気バンドのライブでさ、クスリを常用していたジャンキーの男がいてね、ライブ中に自殺をしたんだ」
ここで自殺? それも僕らの立っている、今まさにこの場所で。
「そ、それで営業が中止になったの?」
僕は早くもゾクゾクしながらも尋ねた。
しかし、モリチンから返ってきた答えは僕の予想もしないものだった。
「いや、勝手に自殺した客のせいで一時的に営業は停止したものの、すぐに営業は再開されたよ……でもね、それから……時々、出るんだよ」
モリチンの顔から笑顔が消えた。
「……で、出るって……」