愛を知る日まで





「えっへっへー♪やった、やった!真陽と買い物~♪」



まるでフワフワな雲の上を歩くように跳ねながら俺は足取り軽く真陽の隣を歩いた。


もちろん、手を繋いで。


はしゃぐ俺を見て真陽も嬉しそうに笑いながらぎゅっと手を握ってくる。


嬉しくて嬉しくて、見馴れたコンビニまでの景色が全然違って見える。

いつもは不快な射すような夏の日差しも、うるさいセミの声もみんなみんな心地好い。


「今日も暑くなりそうだねー。」


眩しそうに空を見上げた真陽に、俺は繋いでた手をほどいて今度はベッタリと腕を組んだ。


「…柊くん…暑い。」


「いーの!こんなの滅多に無いんだから恋人っぽくしたいんだよ!」


困ったように笑う真陽の腕に汗ばむ自分の腕を絡ませながら、俺はニコニコと笑った。





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