愛を知る日まで




お馴染みのチャイムの音と共に開いた自動ドアの中に入ると、途端に冷えすぎた店内の温度に汗がひく。


「おー涼しー。」


腕を組んだままだとさすがに動きにくいので、一旦ほどいて今度はまた手を繋ぎ直す。


二人でぎゅっと堅く手を握りあったまま、俺は逆の手で籠を持ち店内を回った。



「アイスうまそー。真陽アイス好き?」

「うん、ラムレーズンとかストロベリーとか好きだよ。」

「へー。俺、ガリガリくんのコーラが好き。あ、一緒にパピコ食べるのもいいな。」



「あ、今週のマガジンまだ買って無かった。買っとこ。」

「マガジン、実家にいた頃お兄ちゃんが買ってたの読んだなぁ。もう10年くらい前だけど。」

「10年前ならまだ連載続いてるのとかあるよ。◯◯とか××とか。」

「ウソ!?まだ続いてたんだ?後で見せて!」



「これカワイイ。キャラクターの絆創膏。」

「コンビニ限定だってさ。」

「持ってると子供たち喜ぶかも。買っちゃおっと。」



他愛ない買い物をしながらの他愛ない会話。

それがスゴくスゴく楽しくて、俺たちはグルグルと店内をまわりアレコレと籠に物を入れていった。



そして、
チョコレート売場を歩いてた時、真陽が足を止めて言った。





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