愛を知る日まで




「他にも夜勤と休日の職員があと5人ほどいるわ、いずれ紹介するわね。それから他にはボランティアさんが週末は来てくれるわ。」


「ボランティアと言えば、柏原くん、アコちゃんと同い年じゃないですか?」


「ああそうね、アコちゃんきっと喜ぶわねえ。

アコちゃんは大学生のボランティアさんなんだけど、ここが気に入ってほとんど毎日来てくれる子なの。柊ちゃんと同い年だからきっと仲良くなれるわよ。」


「そんじゃあ柏原くんがこっちに来たらみんなで歓迎会しなくっちゃな!園長のおごりでパーっと!」



狭山さんも洞島さんも北見さんも


ここでやっていけるだろうかと云う俺の不安を、一瞬で吹き飛ばすようなパワフルな人達だった。



「あの…面接って…」


すっかりそんな雰囲気では無かったが一応聞いた俺に、狭山さんは


「柊ちゃんは子供が好き?」


と小首を傾げて尋ねた。


「…好きって言うか…自分もまだ子供みたいなもんだから、仲間っていうか同士っていうか…一緒に笑えたらいいなって、思ってる」


上手く言葉に出来ないながらも、素直にそう告げた俺に狭山さんは


「うんうん。それだけで充分よ、柊ちゃん。」


と頷きながら目を細めた。







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