愛を知る日まで
でも。
あんな俺の挨拶に、涙ぐんだり嬉しそうな顔をしてくれてる人もいる。
「柊くん、みんな待ってるから頑張るのよ。」
そう激励してくれて手を差し出した雉さんに握手を返しながら俺は
ここへ来れて良かったと、ぬくもり園で働けて本当に良かったと、心から思えたんだ。
この日はもう、子供にも大人にもまとわりつかれっぱなしだった。
「しゅうくん、ここ辞めちゃうの?」
「柊が来なくなったら誰が俺たちにサッカー教えてくれんだよ!辞めるなよ!」
「柏原くん辞めちゃうんだって?淋しくなるね。」
「柏原くんが辞めると男手が足りなくなっちゃうわねぇ。」
「柊くん、これ持っていきなさい。急だったから少しだけど、餞別。みんなからよ。」
「いつでも遊びにいらっしゃいね。みんな待ってるから。」
…正直、ビックリした。
だって、俺ってここの厄介もんかと思ってたから。
子供やスタッフだけでなく普段から俺にブーブー文句言ってたボランティアのおばちゃん達まで、俺との別れを惜しんでくれていた。
んまあ社交辞令かもしんないけどさ。
でもさ。
「元気でね」「頑張ってね」
って、肩を叩いてくれたみんなのあったかさ、俺は嬉しかったよ。