愛を知る日まで
「…真陽…。…今、1人?」
「うん。…柊、帰るの?」
「うん。引っ越しの準備で忙しいし、もう帰る 。」
そう答えた俺の言葉に、真陽の表情が不安げに揺れて俺の胸を締め付けた。
「…やっぱり引っ越すんだ?」
「うん、さすがにこっからじゃ通いきれなくって。」
「いつ?」
「もう明日には荷物運ぶよ。12月から働き始めるし。」
「っ!?そんなに早いの!?」
「むこうでちょうど12月から産休に入る人がいるんだって。だからその代わり…」
「そうじゃなくって!なんでもっと早く言ってくれなかったの!?…そんな大事なコト、もっと早く言ってよ…!」
ああ、やべ。やっぱ泣かせちゃった。
最後に泣かせたくなかったんだけどな。俺って本当にダメなヤツ。
ごめんな真陽。でもな。
「だから今、言いに来た。」
俺はそう言って真陽の正面に立ち、その涙を自分の指で拭った。