愛を知る日まで





ふと、真陽が俺の腕をするりと抜け出し、机の上にあった色紙を手に取った。



「そうだ、柊。これがヒイラギだよ。ほら、綺麗でしょ。」



突然のその行動に一瞬あっけにとられたが、真陽が手にした濃い緑のギザギザした葉っぱ形の色紙を見て、俺はニッと目を細めた。


「ホントだ。なんかカッコいいじゃん。」


その色紙の葉を一枚手に取り、尋ねる。


「これ、1枚もらっていい?お守りにする。」

「そんなんでいいの?」

「いい。真陽が教えてくれたんだから、俺の名前の意味。スゴく大事。これで充分。」


俺はそう言って胸ポケットにヒイラギを一枚畳んでしまった。


これは、ただの色紙の葉っぱなんかじゃない。


あの日俺を満たしてくれた大切な欠片。


貴女が俺を生まれ変わらせてくれた、大切な証し。




けど、満足してる俺と裏腹に真陽は「何か餞別用意出来れば良かった」と申し訳なさそうにしてる。


別にそんなのいいのに、と思いながら

俺はちょっとイイコトを思い付いた。







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