愛を知る日まで
――元々、蔑まれて生きてきたんだ。
今さら失うモノも堕ちる場所も無い。俺がどんな道を歩もうと止めるヤツも悲しむヤツもいるワケじゃない。
だったら、答えは簡単だった。
彰が教えてくれた俺にうってつけの世界で、俺は生きてやる。
例え万人に蔑まれようとも、そこでのしあがってやる。
全ては、ただ一人の女を手にいれるために。
電気も点けず真っ暗な部屋で、俺は膝を抱えて座り込んでいた。
音の無い部屋。自分の鼓動だけが聴こえる。
――どこまでだって堕ちてやる。
そう決めた俺の瞳は、
一体どんな色をしていたんだろう。