愛を知る日まで
「はは…やった、やっと実がついた…。」
俺はベランダに出て、成ったばかりのミニトマトの実をそっと撫でた。
まだ、青い。
でも成った。これからきっと赤くなる。
『また来るよ。採りたて、食べさせてね』
途端に、胸に甦る真陽の声。
---…………そうだ、約束したんだ。
また来るって…言ったんだ。
トマト、食べに来てくれるって。
真陽は…
真陽は、約束したんだ。
「は、はははは…は、」
笑いが、込み上げてきた。
自分が馬鹿すぎて、笑えてきた。